中小金融機関の安全信組、東京共和の二つの信用組合は放漫経営から相次いで倒産し、その後始末のために、一九九五年春に墓尽共同銀行が全金融機関の負担でつくられ、ここに両信組の債務を引き移して不良債権の処理を行っている。
その後、コスモ居組、大阪の木津信組も倒産し、これらの信用組合の倒産の後始末を行うために、墓尽共同銀行は整理回収銀行に改組されている。
破綻した兵庫銀行の処理にはみどり銀行が設立されるなど、金融機関の不良債権の処理は、損失処理の受け皿をつくるだけの行き当たりぼったりの対症療法が重ねられてきた。
そのみどり銀行も最近の墾埠では行き詰まって預金保険機構の助けを受けて阪神銀行に買い取られるという話である。
これらの例をみても、露呈した不良債権の処理のために、全金融機関に奉賀帳を回して全員の参加で何とか負担をしようとする、相も変わらない大蔵省主導の護送船団方式の対策に終始し、責任が一層暖昧になっている。
損失の付け回しは進むが、肝心の不良債権の元である不良資産の有効利用、流動化にはほとんど手が付けられていないのが現状だ。
住宅金融専門会社、住専とは、金融機関が住宅金融を行うためにつくった別動隊であり、銀行の資金をまた貸しするノンバンクであり、そして一種の国策会社でもあった。
破綻した七つの住宅金融専門会社の処理には、さらに公的資金の導入が行われたが、実に複雑でわかりにくい仕組みが採られたために問題は山積している。
住専が銀行などから借り入れた資金は総額一三兆円、大半がバブルの時期に地上げのために貸し出されたものである。
この内、地価の下落で回収できなくなった額が六・四兆円、この第一次損失を住専に融資した金融機関が負担することになったのだが、住専の設立にかかわっている母体行は全額三・五兆円、一般行が一・七兆円を放棄し、住専に五兆円以上を貸し込んでいる系統金融、農林系金融機関は五三〇〇億円を寄付の形で負担して、残りの六八〇〇億円を財政資金で負担する対応策が、すったもんだの大騒ぎの末、決められた。
当然のことながら純粋な民間会社の経営破綻による負債処理になぜ財政資金を出さなければならないのか、という疑問が続出したが、金融秩序の維持という名目で、異例な財政資金の支出が強引に決められた。
しかし、実はこれは農林系金融機関の救済のための公的資金投入であったということは否定できない。
この結果、住専七社は解散されることになった。
回収可能な債権は、国、民間が共同で設立する側住宅金融債権管理機構に買い取られた。
そしてこの機構が一五年の期間をかけて債権の処理に当たることになった。
機構の債権買い取り資金は、金融機関の低到融資で賄われ、機構が債務者から回収する資金で返済される仕組みである。
しかし、回収可能といわれる債権も確実に回収される停証はない。
地価のさらなる低下で一時損失自体が拡大しているのだ。
既に現在時点で二次損失のうち一・二兆円が回収不能になることが確実であり、将来的にはその損失の半分を再び財政資金で負担することになっている。
無計画に地上げされ、途中で放棄された土地不動産は、不整形、虫喰いだらけの状態でこのままでは使えそうもない。
担保権が十重二十重に付いている土地が簡単に有効利用されるはずもなく、まごまごすると一三兆円全額が不良債権になってしまう危険もあるのだ。
また、都銀などの民間金融機関の二次損失分を負担するために、預金保険機構が改組されて新たに民間金融機関の出資する一兆円の規模の金融安定化拠出基金が設けられた。
二次損失分をその基金の運用利益で賄うという仕組みである。
しかし、損失に備えるための資金だけをいくら用意したところで不良資産の有効利用は進まない。
さらに、一時損失に対する財政資金の負担への批判から、別に民間金融機関が金融システム安定化のための九〇〇〇億円の財団を設立、その運用利益で財政資金を返済するという実に複雑な仕組みも生まれている。
これらすべての対策は、理論も理屈もないままに、利害関係者の妥協で決められたものである。
九八年三月決算期を迎えて、必死の株価維持対策からか口先介入の政府首脳のパフォーマンスばかりが続いていた。
思い起せば一年前の九七年二月に発表された新総合土地政策推進要綱では、土地政策の目標を地価の抑制から土地の有効利用に転換すると宣言し、平成九年地価公示ではなお二桁古の低落が続く中で、あえて地価低落は底を打ったと国土庁長官がわざわざ底打ち宣言してみせている。
また、建設省は、土地の有効利用の促進策として、都市計画法などを改正。
都心居住促進地域を製配して容積率六〇〇%の高容積密度の街づくりをするという規制緩塑零打ち出し、大蔵省は首相指示で年度内にまとめたのだという担保不動産等流動化総合対策を発表した。
九八年三月一三日に発表されたその担保不動産等流動化総合対策は、典型的な役人の「作文行政」であった。
題名だけは仰々しいが何も具体的な総合対策はなかったのである。
その内容は、「自治体などの公的な用地取得を促進する。
虫喰不整形な担保不動産の有効利用策、低未利用地の区画整理や集約化、そのために官民で有効利用プランを立てる。
担保不動産の収益性の向上を図る」とあり、具対策としては「住宅金融債権管理機構や共同憤権買取り機構の債権回収機関が、九〇〇カ所、簿価三八〇〇億円の担保土地リストを提供して、既存の資金の枠組みの範囲内で老人福祉施設や都市防災施設、都市計画道路やその代替地、スポーツ施設などの公共施設に利用することを自治体にお願いする」というセールス広告だけだったのである。
対策の目玉は、担保不動産の証券化であり、担保不動産の収益性の向上を図りつつ、将来的にファンドの投資対象としての不動産の証券化を進めることだということだけだったが、結局、その具鐙凧はこれから検討するという内容なのである。
付け足し的に「担保不動産の情報化、債権回収機関で担保不動産のデータ化を進める」「民間に対しても積極的な有効利用の促進を図るように努力を要請する」「このために官民で情報交換の場をつくる」のだという。
総合対策といいながら、話はなんとこれだけなのである。
具体出取は何もなく、これでは何も決めていないに等しい。
対策の提案どころか問題点の総合的分析にもなっていない。
だからこそ、この発表に対して株価は何の反応も示さなかったのである。
SPCを不良債権対策というのは「羊頭狗肉」である。
評価すべきは、九八年になって「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」、いわゆる「SPC法」が制定され、九八年秋から施行されることである。
その最大の目的は、資産の流動化、特に不動産の流動化を進めることだ。
触れ込みでは、投資家にとっては資産を裏付けにする新しい投資商品ができ、企業にとっては新たな資金調達手段が生まれ、金融機関にとっては自己資本比率の充実、不良債権の処理ができ、不動産市場にとっては不動産取引の活性化が図られるのだという。
誠に結構な話であるが、要は土地不動産の商品化を偉屈させることであり、その昔「土地は商品ではない」といっていた土地政策の原則におさらばすることである。
ターゲットに応じたピアノ 買取の実力を測定してみましょう。ピアノ 買取は常に前進しています。
最後の神頼みはピアノ 買取ご提案致します。ピアノ 買取効果の高い商品です。
ピアノ 買取の特徴をとらえましょう。ピアノ 買取に有効な成分の紹介です。